以前あった話です。デイサービスの帰り道にて。長年教師をしていた利用者さん。「私ってものを知らないのよ。教師の世界しか知らないから。もし、失礼なことをやってたり礼儀知らずだったら教えてね」と半分の年もいかない若造の私に何度もおっしゃっていた。
きっと、現役の頃からお友達にこういうこと言ってたんだろうなあ。あらかじめ言っておくことで周りも言いやすいし。でも中々言えることではないですよ、、教えてもらおうという謙虚な姿勢ができることに尊敬です。私も介護職オンリーで一般企業の最近の常識とか知らない。自分より年が下な人に対して、同じことを言えるようになろうと思いました。
書きながら思ったのは、本当に何か礼儀知らずなことしてるのでは?という恐怖感、不安感。こういう感覚をずっと持ち続けてこられたんだろう。自分を振り返ってみると、弛んでないか?同じ業界内でうまくできていて安心しきってないか?とハッとしました。
「あなたとは、毎日顔合わせて、こういう感じで親しくなれたんだから、はっきり言っていいのよ」とも。確かにこういうこと頼むのは、ある程度関係性が構築されてないといけないかも。と、いうことは、私を少し信頼して下さったのかな、、とちょっと嬉しくなりました。
認知症で短期記憶障害がある方なので、この話を10回はくりかえしていた、、。 それだけ言っておきたい感情があり、それを引き起こしたトリガーとなる出来ごとがあったのかな、とその気持ちや状況に思いをはせました。
私は、「そうしたら、何か気づいたことがあったらお伝えしますね。代わりに、私も若造だから礼儀知らずなことがあるとおもうので言って下さいね」とお願いしました。「そうね!いいわね」と喜んでもらいました。(了)