認知症ケアと「支援」

今日は認知症ケアについて書いていきたいと思います。私は介護職として10年ですが、まだこれ!と確立したと感じていないところが認知症ケアです。その位奥深いし、正解がないのがこの仕事ですね。
よく「支援」ということばを使うのですが、介助と何が違うのか?できないところをお手伝いする、それは当たり前ですね。例えばオムツ交換、入浴、着替えのお手伝いをする。(そういった場面でも「支援」かそうでないか、の話もありますがそれはまた別の機会に)その大前提があった上で、その方のやりたいこと、またはやったことがないけど初めてのことにチャレンジする気持ち、を引き出すことが「支援」だと自分では感じています。引き出す、というのも支援者視点の言葉ですね、、、引き出される、つい出てしまう、というニュアンスのことばがあるといいのですが。

普段出すことのないできることの可能性が導き出される。ちょうど今日の職場で、いつもお誘いしても「私はいいです」とおっしゃる男性の方に対して支援と感じる場面がありました。パーキンソン病・レビー小体型認知症の診断がされていました。いつもソファに座ったまま過ごされるのですが、本日は「調理の場面でなにかお誘いしてみよう」とスタッフで相談していました。ただ他のスタッフから、「Aさんは家で料理しないから断られるんじゃないか」という危惧の声もありました。

そこで、私がしたことは、いつもしていただく園芸活動にお誘いし、キッチン近くのテーブルでプランターの小松菜を収穫していただきました。その作業する隣に食材のえのきとボウルを用意しておきました。そこで収穫終わったあと、「すみません、えのきほぐすのお手伝いしてもらえますか」とお誘い。どうかな、、断られるかな?とドキドキしていましたが、なんと「いいですよ!」とお返事が。とても丁寧にえのきほぐしをしてもらえました。これで終わりではありません。作業が終わって手を洗いに台所に行ったところで豆腐がまな板に乗っていました。私はとっさにアドリブで「豆腐切るのもお願いできますか」これも了承してもらい、大きなサイズでしたが切ってもらえました。
ここで大事なのは、豆腐のきれいな出来を優先しないで、Aさんが包丁を使うことを重要だと考え、お手伝いしていただくことを優先したことですね。

御本人にやってみようかな、と思ってもらえる声掛け・環境設定。これらが支援だと感じます。今日はそれがある程度実践できた日でした。。

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